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メガトラベラー リベリオン(反乱軍)ソースブック 写経 「皇帝・暗殺」

読んでも理解できないため、書いて理解する。


帝国親衛隊

 皇帝と皇帝宮殿を守る帝国親衛隊は、最高の訓練を受け、最新の装備を身に付けた11の連隊で編成されていました。帝国軍のエリート部隊のひとつとして、親衛隊は長い伝統を誇っていました。

 また親衛隊には、帝国の政治的統一シンボルとしての機能もありました。親衛隊のうちの7つの連隊は、帝国の7つの領域から一個連隊ずつ派遣されてきており、1ヶ月交代で皇宮の警護任務に就いていました。

 皇帝暗殺が企まれた時に警護当直に就いていたのは、デュリナー大公の統治するイレリシュ領域から派遣されたイレリシュ親衛隊でした。


デュリナーの謁見

 ストレフォン皇帝によるデュリナー大公の謁見は、予定された公式のものでした。こういった公式の謁見は、極めて重要な会談であることを意味します。予想では、デュリナー大公がイレリシュ領域への何らかの援助ーーおそらくは経済的援助を申し込むためのものだと考えられていました。デュリナー大公は大衆に利益をもたらす英雄として知られていたからです。

 その日は朝からいくつもの謁見が予定されていました。伝統的に謁見は、位の低い者から行われます。午前中に行われたのは、日常的な些末な事柄でした。大型商人と会見して帝国政府との契約を締結し、新たに何人もの貴族を任命し、貴族の家督相続の承認を行いーー皇帝自らに家督相続の承認を頂くことは、キャピタルの貴族社会では大きな名誉と見なされていました。

 昼食後、より重要な事項が片付けられていきました。高位の貴族たちから帝国内の状況や、諸問題や、裁判に至るさまざまな公式報告が行われました。多くの事項はさらに検討してから後日決定すべきものとして処理されました。

 その日の最後から二番目の仕事はアスランのイェーリャルイホ氏族の大使が、皇帝に信任状を奉呈するというものでした。奉呈の後、皇帝は予定にない行動をとりました。残っている謁見はあと1件だけだったため、それが終わったら皇帝の私室のアスランー帝国外交について話し合いたいと告げたのです。そこでアスラン大使は、皇帝の一族とともに三角壇に上がることになりました。

 デュリナーは予定時刻ぴったりに姿を現し、長い真紅の廊下を玉座の間に向かって歩いてきました。そして玉座の前に胸を張って立ち止まったデュリナーは、落ち着いた親しげな口調で挨拶を述べ、一歩前に歩み出ました。それに応えて皇帝もイリジウム玉座から立ちあがり、デュリナーのほうに足を進めました。

 その瞬間、デュリナーは黒いマントをひるがえすと銃を抜き、射撃しました。

 第一弾はストレフォンに命中し、皇帝は即死しました。続く第二弾は皇妃イオランスに命中し、彼女も即死しました。

 このときになってようやくお付の者たちが叫び声を上げはじめました。より賢明な者たちは、床に身を伏せました。玉座の間の壁際で待機していた親衛隊員たちも自分たちの務めを果たそうと、行動を開始しました。

 デュリナーは計ったように一定の間隔で射撃を続けました。次に目標となったのは皇女イフェジニアでしたが、狙いがそれてイェーリャルイホ大使に命中しました。四発目の弾丸が、シエンシア・イフェジニア皇女の命を奪いました。

ここでデュリナーは射撃を止め、大混乱におちいった玉座の間を見渡しました。

 玉座の間では銃撃戦が始まっていました。暗殺計画をあらかじめ知らされていたイレリシュ親衛隊が、その他の警備兵達を次々と射殺していました。後日の検証によるとこのとき、イレリシュ親衛隊だけが実弾を発射していたことが判明しています。武器庫の管理課が、他の兵士達の銃弾を空砲にすり替えていたのです。

 そして、デュリナーの命中とともに殺戮が止みました。デュリナーはストレフォン皇帝の死体にかがみこみ、王冠と錫杖をはぎとって、イリジウム玉座に歩み寄りました。抗議の叫び声を上げて飛び出してきた者がいましたが、すぐにイレリシュ親衛隊に射殺されました。

 デュリナーは玉座に腰をおろし、言いました。

「今ここに、我デュリナー1世は帝国暗殺規約にのっとり、11,000世界をたばねる第三帝国皇位に即位したことを宣言する。忠実なる帝国市民よ。すべからく、我に従え」

 こう宣言した後、デュリナーは玉座から立ち上がり、事の一部始終を記録していたカメラクルーからレコーダーのクリスタルを受け取りました。そしてイレリシュ親衛隊に囲まれて、玉座の間を後にしたのです。